私は常々、「ハードディスクは消耗品ですから」とクライアントさんに警告しているのですが、
みなさん楽観的に捉えて、なかなか真剣に考えてくれないようです。
どうやら、「消耗品」という言い方があまり良くないようです。
今日はこれについて補足したいとします。
みなさんは消耗品というと何を思い浮かべるでしょうか?
プリンターのインク、空気清浄機のフィルター等、いろいろありますね。
分かりやすい例では電球もそうでしょう。
電球はある程度点灯可能な時間が決まっていて永久には使用できません。
あと、一般には消耗品という言い方はしませんが靴もそうでしょう。
ここで注目してほしいのが、電球と靴の消耗特性の違いです。
電球はいきなり何の前触れもなく急に切れることが珍しくありません。
一方、靴のほうはいきなりダメになることはまずありません。
歩くたびに靴の底は徐々にすり減っていくわけですが、
すり減ったとしてもすぐに歩けなくなるわけではありません。
また、消耗したことがハッキリと目に見える形で分かります。
「ハードディスクは消耗品」と言った場合、どうやら前者より後者、つまり、電球よりも靴をイメージする人が多いようです。
ハードディスクも靴と同じように、底が減ってきたらきっとその兆候が現れるだろう・・・
大抵の人がそういう風に考えているふしがあります。
靴なら穴が空いてから買い替えても問題ないかもしれませんが、
ハードディスクにおいては、「穴が空く」=「データが消える(可能性が大きい)」を意味します。
今日の企業活動において、消えても良いと割り切ることのできるデータなどあり得るでしょうか?
このことの重大さに早く気が付いていただきたいのです。
確かにハードディスクも靴と同様に使った程度に比例して故障する確率は高くなるというのも事実です。
ただし、常に一定の確率で壊れる可能性があるのがハードディスクなのです。
交通事故に例えるとわかりやすいかもしれません。
外出しなければ事故に遭うことはないでしょう。
しかし、いったん外に出ると一定の確率で事故に巻き込まれる可能性があります。
例え歩道を歩いていたとしても確率は0ではありません。
ハードディスクもそういうものだと考えてください。
そして、交通事故にあうよりはるかに高い確率でそれは起こり得ます。
ハードディスクは、思っている以上に壊れやすいものという認識で使ったほうが無難だと思います。
では、故障の前兆がないとすれば、どのように事故に備えればよいのでしょうか?
それについては、また次回に。
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